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【木村飲料】創業70周年を老舗清涼飲料水メーカー「今後も業界の維持・発展に尽くしたい」

2023/05/20 [05月20日号掲載]

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 清涼飲料水の製造・販売事業を手がける木村飲料㈱(島田市宮川町2429、木村英文社長)が創業70周年を迎えた。

 瓶入りラムネの製造会社として創業した同社は〝飲料に楽しさを〟という企業スローガンのもと、ご当地炭酸飲料や変わり種清涼飲料水を世に送り出し、多くの話題を集めている。〝失敗したなという商品は?〟という質問に「『桜エビサイダー』ですかね。悪くはないと思っていたけれど〝生ぐさい〟という理由であまり売れなかった」と笑顔を交えながら答える。事業に真摯に取り組み、業界の維持発展のために尽力する木村社長だが、一方で明るさや前向きさは歳を重ねても健在だ。

 最盛期には国内に2300社、静岡県内にも60社のラムネ製造会社があったが、現在は全国で40社をきっているという。「日本でラムネが普及したのは1853年にペリー提督が来航した時に〝レモネード〟を持ち込んだのがきっかけです。その歴史を絶やさないためにも、創意工夫を凝らしながら、手にした方に喜んでもらえるような商品をこれからもお届けしたいと思います」。

 近年は海外輸出販売が好調だ。輸出先は世界40カ国。コロナ禍で、家庭で過ごす時間が長くなったことが要因だ。「家族や親族、友人との集まりの時に購入した方が多いようです。シャンパンを開けるように、ラムネ飲料を開封する演出も気に入ってもらえたようですね」。

 現在、清涼飲料水の出荷数を容器で見ると、ペットボトル80%、缶10%、紙9%、瓶1%となっている。木村社長は1%のシェアの中に生き残りの可能性を見出している。「五感で楽しめるのが瓶入りラムネ飲料の魅力です。開封する時のワクワク感、飲み終えた空瓶をゆらせば風鈴のような心地よい音色を聞くこともできます。日本ならではの風情があるというか…その魅力を伝えることもメーカーの役目だと思っています」。

  • 問い合せ、0548・32・7555