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社会貢献

文化財保存20件に助成金 県内の文化の振興と発展に寄与することを目的に

2014/04/20 [04月20日号掲載]

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一般財団法人 伊豆屋伝八文化振興財団(静岡市駿河区南町6─16、渡邉 朗理事長)は、県内にある文化財の修理・保存事業20件に助成金350万7000円を交付し、文化財保護に優れた功績を残した2団体に奨励賞を贈った。なお、渡邉氏は㈱伊伝の代表取締役社長も兼務する。  同財団は静岡県内の文化財の保存と活用に貢献し、文化の振興と発展に寄与することを目的に設立された。“伊豆屋”を屋号とする渡邉家の先祖は、遠く徳川中期に遡り、伊豆の松崎から静岡市葵区両替町に居を定めて、呉服商や両替商を営んでいた。渡邉家は仏教に深く帰依し、質素倹約を旨として広く慈善事業を行ってきた。平成8年1月に逝去した父、渡邉正夫氏の意思を引き継ぎ、現代社会に適応した公益事業を行うため、同年5月に“伊豆屋伝八文化振興財団”を設立した。平成23年には永年の功績が認められ、静岡県知事表彰を受けた。  渡邉理事長は、「祖先の遺したものの中に“不去来庵”(ふきょらいあん)という御堂と仏像、経典、そのほか歴史的にも価値のある文化財が数多くあります。その中に明治時代の寄付台帳“隋喜喜捨金善種募”(ずいききしゃきんぜんしゅぼ)には、各地の神社仏閣への献金、喜捨の記録が数多く残っており、このように代々受け継がれてきた奉仕の精神をもとに、『静岡県内の文化財の修理・保存・調査研究および公開に関する事業を行うとともに、文化財に関する講演会などの啓発事業を行うことによって、県内の文化財の保存と活用に貢献し、もって県内の文化の振興と発展に寄与すること』を目的に掲げました」と話す。  また、“不去来庵”は明治・大正時代に技術の粋を究めた建造物として、国の登録文化財の指定を平成12年に受けている。 ●問い合せ、054・284・7559