㈱藤田屋(静岡市葵区昭府2—8—18、藤田道一社長)は3月、「第二回清水駅前芸術祭」にアンブレラスカイ(※)を出展した。
清水駅前芸術祭は、静岡出身のアーティストらによる芸術祭で、20
23年に続き2回目の開催。藤田屋は今回が初めての出展で、イベント責任者の藤田大悟部長は「芸術祭は初日から盛り上がっており、文化・芸術に対するポテンシャルを感じました。アンブレラスカイの写真を撮ったり、SNSに上げる人がいたりと手ごたえを感じています。〝きれい〟というだけで終わらずに、当社の目標である〝傘に対する価値観を変える〟を達成するために、今後もイベント参加や継続的な発信をしていきたい」という。
同社は1919年創業の老舗雨具専門店。傘やレインウェアの製造・卸売を手がけ、「PartyRain(パーティーレイン)」という屋号で実店舗での販売とWEBショップを運営している。店には「アンブレラマスター」が在籍し、卒業記念や企業ノベルティに人気の刺繍名入れサービスも提供している。
日本は傘大国で、購入量も単価も世界トップクラスという。しかし、年間約8000万本もの傘が廃棄されるという環境課題がある。そこで同社は「消耗品ではなく、自分らしさを表現するアイテムへ」という価値観の変革を掲げる。美術館をコンセプトにしたオリジナルブランド「da mon de(だもんで)」では、継ぎ目のないデザインを生かし、傘を一枚のキャンバスに見立てたアート性の高い商品を展開。傘を持つことで、まるで美術館にいるような体験を提供している。
さらに、伝統工芸を活用した商品開発と製造、傘の修理、イベントやワークショップの開催にも力を入れるという。多種多様な傘を扱う問屋部門を大切にしながらも、製造にも注力し、質の高い商品を届けることを目指している。
※アンブレラスカイとは、傘を天井のように空中に吊るしたアート風景のこと