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【十山】「南アルプスカーボンクレジット」の今年度における販売が完了

2025/04/20 [04月20日号掲載]

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 特種東海製紙グループの十山㈱(静岡市葵区田代字鳥森1301—1、鈴木康平社長)は、2月3日に販売を開始した「南アルプスカーボンクレジット」(1410 t─CO2)の今年度における販売が完了した。同クレジットは、静銀経営コンサルティング㈱の支援によって、J─クレジット制度のプロジェクト登録およびクレジット認証に至ったもので、同社に販売を委託していた。

 販売したクレジットは、井川社有林の生物多様性の増進など、カーボンニュートラルとネイチャーポジティブの同時達成に向けた取り組みに活用していくという。また、購入した企業は、山一金属㈱、相川鉄工㈱、木内建設㈱、日進電機㈱、常盤工業㈱、㈱しずおかフィナンシャルグループ、㈱静岡銀行、静銀経営コンサルティング㈱。

 南アルプス・大井川源流に位置する井川社有林は、2万4430haと国内で民間が所有するもっとも広い1団地となる。特種東海製紙グループは、この豊かな自然を重要な資本の一つと捉え、「自然を守り、自然を生かす」の基本理念のもと、自然共生サイトの認定やJクレジットのプロジェクト登録など、生物多様性の保全やCO2削減に向けた取り組みを推進している。

 さらに、豊かな生態系の持続的な保全には、事業収益を保全活動に還元する仕組みが必要であると考え、さまざまな事業を展開してきた。その活動の一つが井川蒸溜所のウイスキー造りである。特種東海製紙グループでは、製紙3事業(産業素材・特殊素材・生活商品)に加えて、井川社有林の有効活用や資源再活用(リサイクル)を環境関連事業として新たなコア事業と位置づけ、事業ポートフォリオの変革を進めている。今後も製紙と環境の両輪により、持続可能な社会の実現を目指す。