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民法(債権関係)改正が事業活動に与える影響④~賃貸借契約における原状回復について~

2013/11/09 [10月05日号掲載]

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Q、私は、店舗を借りて事業を営んでいますが、店舗移転に伴い、賃貸借契約を解約した上で、借りていた店舗を明渡しました。その後、不動産業者より送られてきた修繕費用の清算書では、店舗全体の壁紙の張替費用が私の負担となっており、敷金はほとんど戻ってこないことになっていました。契約書を見ると「借主が建物を明渡すときは、借主は、壁紙の張替、クリーニングの費用を負担する」という記載があります。このような場合には私が店舗全体の壁紙の張替費用を負担しなければならないのでしょうか?

 

A、たとえ、賃貸借契約書に、「借主が建物を明渡すときは、借主は、壁紙の張替、クリーニングの費用を負担する」など、借主が通常の使用により生ずる損耗等(通常損耗)についても責任を負うこととなる旨の特約があったとしても、契約の際に、この特約の内容につき明確な合意がない限り、この特約は成立しないものと考えられます。したがって、仮にそのような特約があっても、すべての場合に張替費用を負担しなければならないわけではありません。

 

司法書士法人つかさ

司法書士 大竹 友妃子氏