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【静岡県産業振興財団】イトーキが保有する開放特許をフクダサインボードが新製品の開発に活用

2021/03/05 [03月05日号掲載]

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 公益財団法人 静岡県産業振興財団は、『静岡県知的財産マッチング事業における製品(成果)発表会』を2月10日に開催した。㈱フクダサインボード(浜松市北区初生町688─7、福田二三雄社長)が㈱イトーキの開放特許を使って、コネクタや金属の接点を介さずにワイヤレスでサイン文字を発光することができる『非接触給電サインボード』を開発した。開発には静岡県発明協会、浜松いわた信用金庫、静岡県産業振興財団の3団体が伴走支援した。

 今回使用した特許は、“フックの引掛けによる非接触給電”で、コンセントでの給電をフックに引っ掛けての給電(非接触給電)に代えることができる特許技術。コネクタ接続や充電が不要になるため、場所や環境に左右されない給電が可能。今後の販路については、近年トレンドとなっている二毛作ビジネスを主要市場の一つと位置づける。二毛作ビジネスでは日中はカフェとして、夜はバーとして営業するなど、時間帯や曜日によって業態を変更するビジネスモデル。例えば、コネクタや金属の接点を介さずに、ワイヤレスでサイン文字などを発光することができる次世代型『LEDサインボード』を使って、カフェの時間帯のサイン(看板)とバーの時間帯のサインが容易に切り替えられる。これによりサイン工事費や消費電力などのコストカットにつながるため、SDGsにも貢献できる。

 『非接触給電サインボード』は、2017年11月24日に開催した知的財産マッチングin静岡をきっかけに開発がスタート。マッチング会を通じてイトーキが提供する解放特許の存在を知った福田社長がサインに活用できないかと考えた。翌年3月にはイトーキとライセンス契約(実施許諾契約)を締結し開発に着手。何度も試作品を製作し、改良を重ねながら約2年10カ月をかけて製品化した。

 静岡県産業振興財団では、「大企業が保有する開放特許などの知的財産や大学・研究機関のシーズを活用して中小企業における新規事業の創出を引き続きサポートしていきたい」と話す。

  • 問い合せ、054・273・4434 (公益財団法人 静岡県産業振興財団)