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【前田重工業】土木会社が下水汚泥の処理剤をヒントに開発した化粧品「酵肌水(こうきすい)」

2021/09/05 [09月05日号掲載]

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 来年に創業30年を迎える㈲前田重工業(静岡市葵区山崎2─21─8、前田茂社長)は、静岡県を中心に建設機械による土木建設の重機土工専門業者。県内企業から大手ゼネコン、準ゼネコンなどと取り引きがある。例えば、トヨタが裾野市にある工場跡地で進めている実証都市「“コネクティッド・シティ”プロジェクト」の造成工事を大手ゼネコンの下請けとして手掛けるなど、同社の施行能力と機動性は高く評価されている。前田社長は「安全と安心を守るという社会的責任と環境や地域文化を大切にして『人と人、技術と経験』を生かした経営を進めていきたい」と語る。そんな同社はあることがきっかけで化粧品を開発し「肌荒れにすごく効く」と、全国の固定客の心を掴んでいる。

 

スキンケアシリーズ

「酵肌水(こうきすい)」

 きっかけは、下水道工事を行っていたとき。下水の汚泥(おでい)を分解する処理剤を「他に用途があるのではないか」と考えた。10年前にエコ・技研㈱という関連会社を立ち上げて分析に乗り出した。その結果、パイナップルに多く含まれる酵素「プロメライン」が含まれていることがわかった。静岡県立大学と共同研究を行い、7年の歳月をかけて「プロメライン」を配合したスキンケア「酵肌水」シリーズを開発した。同商品は、フィブリンといわれるタンパク質に働きかけ、さまざまな状態の肌に潤いを与えるという。無香料、無着色、パラベンフリー、アルコールフリーで、フェイスケアからボディケアまで、幅広く利用されている。通販や美容院などを中心に販売されている。

 「健康も社会貢献だと思い展開しています。当社では現在、販売店も募っています」と前田社長は語る。

  • 問い合せ、054・207・8415 (エコ・技研㈱)