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【岩崎恭三商店】茶師である父の合組(ブレンド)の技術を世界へ「茶×墨プロジェクト」を始動

2021/10/05 [10月05日号掲載]

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 ㈲岩崎恭三商店(静岡市葵区平和1─3─54、岩崎麻須美代表)は、牧之原茶を主とする専門問屋として創業し40年が経過する。創業者で茶師の恭三氏はファミリー経営にこだわり、できる範囲の量産体制でこだわりのお茶をつくってきた。恭三氏の技術にファンは多く「お茶のマルキョウ商店」のブランドが確立されている。現在は2代目の麻須美さんが20代で父の跡を継ぎ、父の「合組(ごうぐみ=ブレンド)」のすばらしさを広めようと奮闘している。

 祖父の代から製茶問屋という家系に生まれ育った麻須美さん。お茶づくりの環境があまりに身近で当たり前の光景だった。OLとして働いていたある日、父が「自分の代で廃業してもいい」という言葉に一念発起し、4年前に家業を継ぐために入社、2年前に代表となった。そして、家業を見ると父の合組の技術の凄さに改めて気づく。「合組は、仕入から製造までを手掛け、お茶の全てを知る茶師だけが持ちうる技術。その茶葉の特徴を見出し、組み合わせて単一の茶葉にない味や香りを引き出します。まさに当社だけの価値あるお茶をつくり続けてきた父をリスペクトするとともに、この価値をもっと広めていきたいと強く思いました」。

 今年3月、筆を使わない墨絵アーティストである荒川飂(しゅう)氏とコラボした「茶×墨プロジェクト」が始動した。躍動感溢れるパッケージとそのイメージにあった合組を提供している。早速、イタリアの専門業者からオファーが舞い降りた。「父の技術が世界に広がっていくことを夢見て、これからもチャレンジを続けていきます」と麻須美さんは語る。

  • 問い合せ、054・271・2798