日本ラグビー界に名を刻むレジェンドであり、現在も現役のプレーヤーとして“ワセダクラブ”で活躍する。1981年の関東対抗戦。早稲田大学を率いる知将大西鐡之祐氏が、圧倒的有利と目されていた明治大学に対して仕掛けた戦法が“吉野勝負”だった。「絶対的強者に勝つには奇襲と一点突破が功を奏する」。戦略と戦術があってこその勝利。この経験がビジネスにおける吉野氏の流儀、「できるまでやり続ける諦めない気持ち」に繋がっていく。「あくまでもソフトに」という注意書きを添えて。

 吉野氏のラグビー人生の頂点となる1995年の全国社会人大会と日本選手権大会の優勝は、米国のボクサー、ジョージ・フォアマンの実戦での経験を吉野氏なりの考えに基づいて実践したことの結果だ。「勝つことよりも楽しむことを優先して試合に臨んだ。自身の心の置き所を学んだとも言えます」。継続は力なり、信は力なり、そして、夢は叶う。この3つの思いが吉野氏の原動力となっている。「身近なことに興味を持って、それを長く続けていくこと。身の回りのことに興味を持てば、人生は常に新しい発見に満ちている」。この言葉に呼応するように、サントリー酒類も常に新しい発想の新製品を創出し、それを宿命づけられたブランドともいえる。

 「何事も人脈が大事。ラグビーを通じて社内外の人脈を形成できたことが大きな財産」と話すように、静岡に着任した現在もその人脈は大いに生かされている。「酒類の販売を通じて、皆さまに豊かな生活を提供していきたい」。

 

[プロフィール]

吉野俊郎(よしの・としろう)

1960年、東京都板橋区生まれ。1983年、サントリー㈱に入社。インポート酒類を取り扱う輸入酒課を皮切りに、飲食店の企画・運営など実質的な経営を行うグルメ事業部を経て、全国展開する外食チェーンのサポートを担う市場開発本部に20年以上籍を置き、昨年10月まで部長職を務める。長年に亘り外食産業で携わってきた知見は、静岡支店長になったいまも生かされている。