瀟洒な邸宅があつまる高級住宅街の一画に、ひっそりとたたずむ隠れ家的なフレンチレストランがある。いまでこそ地産地消や生産者の顔が見える身体にやさしい安心・安全な食材といったものが一般的に普及したが、そんな食材のキーワードやフレンチという言葉すら認知されていなかった時代に飲食の業界に飛び込み、料理人としてのキャリアを築いてきた有馬氏。ホテルクエスト清水の総料理長を経て、2008年に静岡市鷹匠でフレンチの銘店として愛され親しまれてきた『Pissenlit』(ピサンリ)のオーナーシェフとして活躍。その後、2015年には産婦人科医院のシェフに就任。“ふじのくに食の都づくり仕事人”として、出産を控えた女性に対して身体にやさしい食事を提供すること、そして、生まれてくる子どもたちのすこやかな健康を願って安心安全な食の追求を目指してきた。

 ピサンリをクローズした後は、しばらく表舞台から姿を消し、ひっそりと自身が理想とする料理を探求してきた。今年2月から縁あって地元企業の経営者がオーナーとなる『旬輝』の専属シェフに就任した。これまでに磨きあげてきたフレンチを美味しく、そして気軽に食べてほしいという思いはもちろんだが、『旬輝』を通じて発信したいことや届けたい想いが有馬氏にはある。それは、静岡県産の食材などを使った“持続可能な食の未来”を料理人ならではの視点から発信していくことだ。静岡県産の野菜や魚、肉などさまざまな食材やそれを栽培する生産者や漁師に対して、豊かな自然の恵みを次世代に引き継ぐことのできる“持続可能な食の未来”を共に考え、行動していくことを目指して活動を続けている。

 

■住  所/静岡市葵区大岩1-6-48

■電  話/054-297-3897

■営業時間/ランチ11:30〜14:30(LO.13:00)、ディナー18:00〜22:00(LO.20:30)

■定 休 日/火曜日

■座 席 数/テーブル16席

■URL/www.shun-ki.jp