江戸そば老舗の名店で結成する「木鉢会」。東京都内の有名店が名を連ねる中で唯一、静岡市内のそば店が入っている。その「安田屋本店」は、慶応2年(1866年)の創業、154年の歴史ある老舗そば店だ。

 大政奉還後、徳川380万石は駿府70万石に減らされ、地方の一藩に。江戸に居場所を失くした旧幕臣やその家族、使用人は徳川にすがるしかなく駿府(静岡市)への移住を決意、その数は10万人にものぼった。

 その頃、静岡のそば・うどんは薄口醤油・昆布などを使った「関西風」だったが、安田屋は江戸から移住した客の強い要望で江戸そばを習得し、その技に磨きをかけた。その味は静岡に居を移した徳川慶喜公や勝海舟・山岡鉄舟・高橋泥舟の「幕末三舟」など旧幕臣たちにも親しまれた。

 現在は5代目となる安田裕さんが暖簾を守る。裕さんは「うどんすき」で有名な大阪の名店「美々卯」で修業し家業に入った。創業150年を迎えたとき、「江戸そばの昔ながらの技術が寸分たがわず伝承されている」と言わしめた4代目の故・貞男氏の言い伝えと文献を頼りに、大豆を発行させた生醤油「ひしお」と焼津に特注したカツオ・サバ・ソウダカツオの削り節で創業当時の「駿府江戸そばつゆ」を再現した。

 裕さんは「これからも、お客さまに寄り添った店づくりを大切に、皆さまに愛されるそば屋であり続けたいと思っています」と話す。

 

■住  所/静岡市葵区横内町53

■電話・FAX/054−245−0981

■営業時間/昼11:00〜14:30(ランチタイムは11:00〜13:00)、

      夜17:00〜20:30(土日は11:00〜20:30)

■座席数/テーブル28席ほか座敷、計42席

■定休日/毎週木曜、第三水曜、毎週水曜夜

■無料駐車場/3台