静岡市の中心部に位置しながらも、静寂で落ち着いたたたずまいを見せる求友亭。創業は明治13年、今年11月には141周年を迎える老舗料亭。初代が、東京神楽坂の「求友亭」での修行を終え、伊藤博文公などの後援を得て、のれん分けにて静岡市で開業した。火事や空襲を乗り越え、天方家が代々守り続けてきた歴史がある。現在は、四代目の天方元太郎氏、五代目の裕太郎氏が調理場を預かり、家業として切り盛りしている。

 「入りて風情あり」「出づるに余韻を残す」という日本料亭の伝統を貫き、心づくしの会席料理と洗練されたおもてなしで、風情のある世界へと誘う。志すのは求友亭の伝統、日本料理の良さや文化を守りつつ時代に合わせたその先であるという。「また来たい」と思われるような雰囲気づくりやおもてなし、趣向を凝らした料理を提供する。礼節を重んじ、普遍性の追求に徹してこその美が宿る。「お越しになったお客さまが、お見送りの際に笑顔でお帰りになるのを見ると、とても嬉しく思います」と裕太郎氏は語る。

 利用する顧客の大半は、法人による利用だ。献立は季節や顧客の好みに合わせて毎回変えているが、「料理はあくまでおもてなしの一部であって、おいしいのは当たり前。主張しすぎない、さらっと上質な料理を出す。会話や縁談、接待がうまくいくことが最大のゴールで、その手助けをするためのバイプレーヤーでありたい」と話す。

 

■住  所/静岡市葵区常磐町1-6-1

■電  話/054-252-0250

■営業時間/17:00〜22:00

■座 席 数/100席(全室個室)

■定 休 日/日曜・祝日(人数によりご相談で定休日も営業可)

■駐 車 場/なし