セミナー一覧

セミナーの詳細ページです

オンライン講座

歴史から読み解く会計学(全2回)

  • 開催日2022年09月5日(月) 20:00
  • 場所
  • 講師上野雄史氏(静岡県立大学経営情報学部教授)
セミナー一覧に戻る
Pocket

複式簿記は、12~14世紀の北部イタリア地方にて成立したといわれている。当時の商取引の慣行がシステム化されたのが複式簿記だ。ゲーテが1782年に刊行した「ウィルヘルム・マイスターの修業時代」の中で、『複式簿記は人類の最も見事な発明の一つ』という言及がある。おそらく、18世紀には、ヨーロッパにおける商売人の一般的な技術として普及していたことが分かる。会計のルールの多くは実務の慣行から生まれてきた。その代表的な例は減価償却だろう。19世紀半ばに巨額投資を一括で費用処理することを避けたいイギリス鉄道会社により考えられたのが減価償却である。つまり、「利益捻出」のための会計処理が、理由を後付けされて制度化されたわけだ。減価償却は優れた管理システムとしても認識されていた。最近では、同じく19世紀半ば、アメリカ南部のプランテーションで働く奴隷に対しても減価償却が適用され管理されていたことが分かっている。この講座では、こうした観点から、教養のための会計学を学んでいく。第1回9月5日㈪、第2回9月12日㈪ 各20時〜21時30分