半導体の元となるシリコンウエハを研磨するための素材“ポリッシングパッド”を加工する大輝。そのシェアは世界トップレベルを誇る。「こんなダメ人間でも世界中に必要とされる会社になれた。ほんのちょっとした感覚。どうすればできるんだろう?という自分への問いかけが、ある時、ああ、そうか!と道が開けたりする。最近、人が生きていくってことは、本当はこうなんじゃないかな?という生き方のコツが何となく分かってきた」と語る大石邦晴社長に話を聞いた。

■略歴

大石 邦晴(おおいし くにはる)

1963年2月1日生まれ、静岡市駿河区出身。現常葉大学付属橘高等学校を卒業後、近畿大学理工学部 応用化学科に入学(この時点ですでに父親と意見が対立)するも2年で中退。その後、嫌々父親が起業した履物の製造・販売会社を10年にわたって手伝うが、仕事の上でついに父親と大喧嘩になり一旦家業を離れる。その後、服飾衣料資材などを取り扱うメーカーに4年間勤務する。父親が体調をくずして入退院を繰り返す中、昵懇の間柄だった父親の友人に説得され、やむなく働いていた会社を退社して渋々大輝の経営を引き継いだ。