店主の平野大輔さんは、北海道生まれ埼玉育ち。父親の転勤で静岡に拠点を移したのはデザイン専門学校を卒業するタイミングだった20歳のころ。親戚のツテで軽い気持ちで働いたそば屋は静岡市内の有名店の一つで、忙しい毎日を過ごした。そこで15年間働き、2016年に自身の名前から「輔(たすく)」という屋号で店をオープンした。「寄り添う」という意味を持つこの言葉がとても気に入ったという。以来8年間、常連客の輪が広がっていったのは、8割以上という、高いリピート率で積み重ねられたものだった。

 「自分が美味しいと思った味を追求して、それにお客さんが共感して喜んでくれたらどんなにうれしいだろう、と思ったのが独立の一番の動機です。修行した15年間は自分を料理人として育てていただいた年月で、とても意義のある時間でした。ですがその経験に執着せず、広い視野を持って、お客さま、従業員、そして取引先の皆さんという『人』を大切にした店づくりをこれからも続けていきたい」。

 定番メニューの「アボカド」や「あんぱん」の天ぷらは、修行中に「やってみたら美味しかった」というもの。そんな「やってみたらどうだろう」と常に新しい料理を店主自身も楽しんでいる。その好奇心と飾らない店主の人柄が老舗を思わせる風情ある外観とギャップがあり、そこが大きな魅力の一つとなっている。

 

■住  所/静岡市駿河区中田2-6-12

■電  話/054-283-3327

■営業時間/昼11:00〜15:00(LO.14:30)、夜17:00〜21:00(LO.20:30)

■定 休 日/水曜日

■座 席 数/カウンター7席、座敷8席

■駐 車 場/3台