喰処ばぁ幸
しらす船の6代目船元を父にもつ女将久米佐知子さん。小学生のころから父の漁を手伝い、魚に親しむ日々を送った。高校生の進路選択で「漁師になりたい」と希望を伝えたが、父から猛反対を受けた。それでも「父の魚を多くの人に届けたい」という思いを貫き、調理師学校と寿司店で修業に励んだ。寿司店では頭を丸刈りにして覚悟を示し、料理人としての基礎を磨いた。
20歳で帰郷し、「根拠のない自信」を胸に吉田港近くの自宅である一軒家に「喰処ばぁ幸」を開業。開店当初は地元客が中心だったが、口コミで評判が広がり、現在では県内外からの来客に加え、外資系企業の接待や海外から訪れる常連客にも支持されるまでに成長した。
父が獲る鮮魚を最大限に生かしたメニューに加え、「江戸時代の竜宮城」という独自のコンセプトを掲げ、料理だけでなく「おばあちゃんのうちに帰ってきた」ようなゆったりとした空間そのものの体験価値に重きを置く。そして「また来たいと思っていただけるように」という徹底した姿勢を持つ。
「もう一杯」「もう一皿」と頼みたくなるような、心地の良い接客を心がけ、常連客とのやりとりの中でその感性を磨いてきたという。
「スタッフと楽しく和気あいあいとみなさまをお迎えし、“ばぁちゃん”になってもお客さまにおいしい料理を届けていきます」。
■住 所/榛原郡吉田町住吉3566-2
■電 話/0548-32-7011
■営業時間/18:00〜22:00(LO21:00)
■座 席 数/カウンター8席、テーブルほか62席
■定 休 日/日曜日
■駐 車 場/25台

