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竹位牌と自筆メッセージ刻印した竹箱 遺された遺族に向けて開発、商品化

2013/11/08 [11月05日号掲載]

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小さな野はらの樹

 小さな野はらの樹(静岡市清水区相生町6-17静岡市清水産業・情報プラザ603号、奥塩千恵代表)は、孟宗竹ならではの風合いを生かした本位牌と竹箱、遠州綿つむぎのあずま袋をセットにした新発想の商品“さいごの贈りもの”を開発、販売を始めた。

 竹位牌は、もともと位牌メーカーだった奥塩さんの実家で、奥塩さんの父親と叔父が長年研究しながら商品化したもの。弾力性や強度に優れた孟宗竹を積層・接着することで、無垢材に匹敵する強度を実現させた。竹位牌が出来上がって間もない3年ほど前に、実父が病に倒れて他界したことから「完成をだれよりも待ち望んでいた父のためにも、この位牌を世に送り出したいという思いから、商品化を進めてきました」(奥塩さん)。

新商品は、この竹位牌(商品名・竹位牌 紡 つむぐシリーズ)に、同じく竹の積層材でつくった保管箱と、位牌を包むだけでなくお墓参りの際に巾着袋にも使える“遠州綿つむぎ”のあずま袋を一緒にして、自分が亡くなる前に遺族のために用意しておく“故人から遺族への贈りもの“として提案している。古くから日本人の暮らしに寄り添ってきた竹にこだわることで、温故知新や温暖化問題、放置竹林などに対する思いも込めた。自分の位牌を遺される家族に贈るという発想は、業界でも珍しいという。

 竹の箱に、遺された遺族に宛ててあらかじめ自筆のメッセージを刻印できるサービス(オプション)を提供しているのもこの商品の特徴。「まさにこの箱は、故人と一緒に過ごした過去に誘われる玉手箱。開けた瞬間に位牌となった故人はその心とともに家族のもとに帰ります」(奥塩さん)。位牌のサイズは3.5寸~4.5寸。小売価格は3万8000円から。なお11月1日に名古屋で開かれた“ビジネスフェア2013”にも出展した。

問い合せ、054・295・7160