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【マルカイ】人を呼び込む付加価値を備えた新たな製造拠点の可能性

2022/07/05 [07月05日号掲載]

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 ㈱マルカイ(静岡市駿河区用宗5─20─20、海野雄介社長)は数年後をメドに、人を呼び込む付加価値を備えた新たな製造拠点の建設を構想している。具体的な建設用地や工場のプランは未定としながらも、「全国でも有数のしらす漁が盛んな用宗に、日本全国だけでなく海外からもお客さまを誘致できる拠点をつくりたい」と海野社長は意気込む。

 そのためにも、蒲原・由比〜清水港・三保〜用宗のエリアが一体となって地域全体を盛り上げていくことが必要と考える。なかでも駿河湾スマートオーシャン構想を含め、日本でも重要な貿易港であり、豪華客船も停泊する清水港の可能性に期待している。「用宗も含め、沿岸漁業が日に日に衰退していく中で、次の世代やこの地域の利益になる取り組みを続けていくことが重要。そのためには、地域住民や地元企業と行政との連携、さらには、街や都市の賑わいを生み出す大規模な投資も必要になる。また清水港がハブとなり、富士山と駿河湾一体の世界規模の海洋拠点が形成されれば、新たな産業を創出することも可能になる」。

 マルカイは1951年の創業時から用宗産の釜揚げしらすを主力に、しらすや桜えび加工品の製造・販売を手がける。近年では工場直送の小売店舗や飲食店など、釜揚げしらすの製造工場を持つメリットを最大限生かした新規事業にもチャレンジしている。家業を継ぐ前は、横浜市の水産加工品問屋で働いていたという海野氏。「清水港を基点とした海洋拠点が形成されれば、横浜のような港湾都市も夢ではない。先人たちが苦労して築きあげた“しらすの港町”を次世代につなげるために、多様な人を惹きつけ成長できる可能性があれば、それを求めて東奔西走することも厭わない。家業を継いで10年、先代から代表権を引き継いで4年になります。ここから先の10年間で何ができるかを自分なりに模索し、挑戦していきたい」と話す。

  • 問い合せ、054・259・2329