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【静岡県立科学技術高校】熱中症対策システム『みまもり君』 生徒らと開発、地域企業と販売へ

2014/11/20 [11月20日号掲載]

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静岡県立科学技術高校(静岡市葵区長沼500─1、田中克己校長)の生徒と先生が開発した熱中症対策システム『みまもり君』が、地域企業の協力を得て製品化に向け動き出している。

 制御工学科・ロボット工学科の3名の生徒(中山聡君・森下龍君・大野正太朗君)と岩ヶ谷孝先生とが昨年開発した『みまもり君』は、円筒形の温度・湿度測定器を複数箇所に設置し、無線で測定情報を収集。パソコンで一元管理し、熱中症危険度が異常値を示した時には設置した測定器から警告音を発して被害を未然に防ぐ、というもの。簡便な作りで移動・設置が簡単という利点があり、従来品が計測範囲が狭く情報の共有も困難であったこと等を解消している。今年1月には静岡県工業教育研究会生徒研究発表会で最優秀賞を受賞したほか、この開発に関わる知見で特許を出願しており、静岡県教育委員会では生徒と教員による特許出願は初めてのケースだという。

 この『みまもり君』の製品化を目指し、冷熱システムのエンジニアリング等に専門性をもつKE・OSマシナリー㈱(静岡市清水区宍原625─7、梶本丈喜社長)と静岡県とが主体となりさらなる開発を進めている。実現すれば工場内の環境管理や農業での温室管理、病院・介護施設・学校等での活用が見込まれる。10月には試作機10台を準備しテストを行っていく予定だ。

 開発をリードした岩ヶ谷孝先生は「地域の企業に技術が還元されることになればうれしい。学校としても経験や実績を積み上げていきたい」と話している。

 『みまもり君』に関する問い合せはKE・OSマシナリーまで。054・360・2001