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社会貢献

災害時にも優先して空き物件提供福祉事業の担い手増につなぐ「イエサポ」

2015/02/13 [02月05日号掲載]

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 福祉事業所の事業継続計画策定などに取り組むそなえざぁしぞ~か(静岡市清水区押切861─8、渡嘉敷唯之代表)。昨年12月から、不動産業者と福祉事業者とを橋渡しし、災害発生時に被災した福祉事業所職員の住宅を優先的に確保できるという協定を仲介する事業「イエサポ」を開始した。

 不動産業者は福祉事業所の職員に対し、平常時には協定による割引価格で賃貸住宅を提供する。そして自然災害が発生した際には、被災により周辺地域の賃貸住宅需要が跳ね上がるなかで、協定により優先的に新たな賃貸住宅のあっせんを行う。職員は安定して仕事を続けることができ、福祉事業所は災害後まで含め貴重な労働力を確保できる。不動産業者にとっては定期的に賃貸物件の需要を見込める提携先となるほか、福祉事業所を利用する高齢者の住宅相談や、被災後の住宅相談のサポートにもつながる。

 「災害発生後に起こる高齢者や障がい者の“災害関連死”を減らしたい」(渡嘉敷代表)との思いが事業のきっかけ。福祉事業所の人材不足に起因し福祉サービスの提供が滞れば、二次災害である“災害関連死”が広がる可能性は十分にある。これを防ぐ環境づくりの一環として、「イエサポ」の提案を進めていく。

 さまざまな災害対策があるなかで、災害発生後の住宅確保に着目したことについて、渡嘉敷代表は「できるだけ幅広く違った角度から災害対策をとらえる“視点”を提供することで、施設や地域の対策環境がさらに整備されていくことを望んでいます」と話す。今後さらに「イエサポ」の登録希望法人と、協力不動産業者の拡大に取り組んでいく構え。また「医療機関等にも提案していきたい」としている。

  • 問い合せ、090・7237・0241 (渡嘉敷代表)