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【ふかくら】 地元企業や飲食店との コラボ商品が注目を集める

2016/08/05 [08月05日号掲載]

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㈱ふかくら(静岡市清水区愛染町19、深澤寿昭社長)は、“水産資源の有効活用”をテーマに、いままで使われていなかった魚の部位や廃棄してしまう骨なども商品として再利用している。その取り組みとして、清水港や由比港で水揚げされた新鮮な太刀魚をはじめ、金目鯛やまぐろ、かじきを煮付けにした缶詰を発売した。監修は、老舗すし店の日出寿司(静岡市清水区沼田町)が行った。日出寿司で食べられる煮付けの味に深澤社長が惚れ込み、数年前から商品化に関するオファーを続けていた。

 缶詰のほかにも、県内企業と商品の共同開発を積極的に進めている。なかでも、三和酒造が製造・販売する純米大吟醸“臥龍梅”の酒粕をさらに熟成・発酵させた熟成酒粕を、銀だら、アジ、銀鮭に使った『臥龍梅 熟成粕漬け』は、食材宅配サービス業者に採用されている。他社にはない美味しさへのあくなき追求と、商品開発力には定評がある。また、煮付けの缶詰シリーズでは、パッケージやラベルのデザインにもこだわり、一目で“ふかくら”の商品と分かるように配慮した。

 深澤社長は、「日本の伝統的な食文化を継承し、海の豊かな恵みを食べやすいカタチに創造することによって、お客さまの健康や生活の向上を応援していきたい」と言う。これまでの量販店や市場、問屋などの既存客から、デパートや高級食材の専門店、ネット通販などにも販路を拡大していく。さらに、自社開発した製品を海外でも販売していく計画で、世界的な和食人気を追い風に、付加価値のある水産加工品の提案を行っていきたいと言う。

 同社によると、水産加工業者は減少の一途を辿っているが、競合する会社が少なくなった分、商品化に対する問い合わせが増えているという。清水魚市場 河岸の市の理事長を兼務していることもあり、「水産加工業界の発展のためにも微力ながら尽力したい」と意気込む。

●問い合せ、054・365・1155

 http://www.fukakura.co.jp/