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【三和建商リサイクルセンター】 乾溜ガス化燃料をハウス栽培の熱源に 20年の実績生かし農業分野に進出

2017/03/05 [03月05日号掲載]

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㈱三和建商リサイクルセンター(静岡市葵区東1034─1、宮内一雄社長)は、木くずや紙くず、廃プラなどの可燃物を固形化した高性能燃料をガス化して不燃性廃棄物を再生する“リサイクロンシステム”の農業分野への転用に成功した。現在の焼成処理プラントを約10分の1に縮小した専用の小型プラントを農業ハウスボイラー向けに開発、それを農業ハウス栽培用の熱源に利用する。重油などの化石燃料で農産物を生産している農家や農業法人に提案していく。販売についてはプラントメーカーに委託する。宮内社長は「ハウス栽培は効率のいい栽培方法だが、化石燃料のコストが高く残念ながら採算性はよくない。その点、廃棄物を原料とするリサイクロンシステムは劇的に安価であり採算性もクリアできる。静岡県はお茶やイチゴ、メロン、レタス、わさびなどの産地だが、高齢化が進んでおり後継者不足も深刻。このシステムが農業の未来に少しでもお役に立てればうれしい」と話している。

 同社では20年前からサーマルリサイクルに取り組み、産業廃棄物から作った燃料で建設資材を再生する自社内完結型100%再生処理工場の実現を目標にリサイクロンシステムを確立。この間、2005年には可燃性建設廃材を原料とする乾溜炉用の固形燃料(リサイクロン)の製造方法について、08年には可燃性廃棄物を原料とするガスの発生燃焼方法についてそれぞれ特許を取得している。