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【しずおか信用金庫】第1回 インターナショナル・ミーティングを実施~静岡大学と共同で、海外留学生が地元企業を視察

2017/03/20 [03月20日号掲載]

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 しずおか信用金庫(静岡市葵区相生町1─1、田形和幸理事長)と国立大学法人 静岡大学は、地元企業を対象に『第1回インターナショナル・ミーティング』を実施した。地元経営者から海外展開やインバウンド対応における具体的な取り組みをはじめ、海外向けに開発した商品やサービスなど、海外進出に伴うエピソードや苦労話を聞き、日本と海外をつなぐ架け橋になってもらう課外授業の一環で、今回はじめての取り組みとなる。静岡大学に在籍するベトナム、インドネシア、タイ、ミャンマー、インド出身の学生17人が2つのグループに分かれて、県内中部地区の中小企業2社を訪問した。

 訪問先企業の1社となる㈱磯駒海苔(静岡市駿河区丸子6─6─33、深田浩介社長)には、10人の留学生が訪れた。深田社長から海外進出しようと考えたきっかけや、海外展開において苦労したこと、主力商品の焼き海苔やふりかけを海外向けにリニューアルするまでの経緯を聞いた。留学生には、海外展開における一連の仕事の流れを学ぶことによって、県内の中小企業と母国をつなぐビジネスの架け橋になってもらうのが狙い。留学生には、海外向けに開発したパッケージのデザインや色味についての感想を聞いたほか、ハラル認証やコーシャ認証といった現地の人たちに安心して購入してもらうためには何が必要なのかといったアドバイスを求めた。

 もう1社の訪問先企業となる㈱竹屋旅館(ホテルクエスト清水 静岡市清水区真砂町3─27、竹内佑騎社長)には、7人の留学生が訪れた。竹内社長から同ホテルが提供する食事制限の人でも楽しめるフルコース“駿河湾レシピ”の開発経緯や宿泊者への“おもてなし”を聞いた。留学生は客室なども見学し、外国人観光客の視点での改善点などの発表を行った。

 しずおか信用金庫 業務サポート部では、「積極的に海外に進出する地元企業があることを知ってもらうことで、これを機に留学生達の母国をつなぐビジネスに発展すれば嬉しい。訪問先の企業にとっては、自社の取り組みを知ってもらい、語学の知識を有する若い人材の獲得につなげてもらう意味合いもある。留学生達がワールドワイドに活躍する優秀な人材になってくれれば嬉しい」と話す。

 インターナショナル・ミーティング(2日目)~留学生に向けて県内企業5社が登壇

 2日目のインターナショナル・ミーティングは、静岡大学で開催した。地元企業5社が登壇し、留学生に向けて自社商品の説明や国内で展開するサービス、求めている人材についてプレゼンした。登壇したのは、㈱やまき園(静岡市葵区宮ヶ崎町9番地、原崎弥和社長)、㈱季咲亭(静岡市葵区沓谷5─1─6、小泉幸雄社長)、㈱さまあ(静岡市清水区辻2─4─26、多治見卓社長)、サワイリ食品㈱(静岡市清水区三保3266─6、澤入秀美社長)、衣食住㈱(静岡市清水区旭町7─3、田邉浩史社長)の5社。留学生は、母国における日本食の嗜好や市場のニーズ、流行っている日本の食品や若者に人気の日本食について意見を述べた。

 “アジアブリッジプログラム”では主として、アジア4カ国(ベトナム、インドネシア、タイ、インド)の優秀な留学生を対象に、海外戦略を担う中核人材として、静岡の企業に就職し、静岡に定着してくれる人材の育成を進めている。県内企業からの拠金によって運営されているため、留学生は入学料や1年目の授業料が全額免除されるほか、2年目以降の授業料も所定の成績要件を満たすことで、半額または全額が免除される。経営の分かる理工系人材、理系マインドを備えた文系人材といった、ゆくゆくは海外の現地法人でも活躍が期待できる“ハイブリッド留学生”を育成する。

 しずおか信用金庫 業務サポート部の岩瀬洋一郎氏は、「登壇企業にとっては、これからの事業戦略や海外戦略において活躍が期待できる留学生とのネットワークが構築できる。海外向けの商品開発や現地の若者に向けた製品をつくる上でも参考になったのではないか」と話している。