本橋テープ㈱(吉田町住吉3216─5)の本橋真也代表取締役(45歳)が、令和元年春の栄典にて藍綬褒章を受章した。藍綬褒章は、企業経営や業界活動を通じて、産業振興や社会福祉の発展に貢献した人物に与えられる褒章。同社が取り組む細幅織物の価値創出と業界再興に貢献したことが評価された。なお今回藍綬褒章を受章した448人の内、本橋氏は最年少だった。
本橋テープは、吉田町の地場産業である細幅テープメーカーとして196
2年に創業した。長らく、下請け専門だったが、1976年に本橋氏の父・和野氏が株式会社に改組。1989年には町内の同業者4社とともに製造の専門会社静岡繊維工業㈱を設立するなど、組織を変革しながら下請けのみの事業からの脱却を目指してきた。「細幅織物は、幅が13㎝未満のテープで(綿糸・麻糸・化学繊維)を織り込んでつくります。吉田町はもともと、全国有数のテープの産地でしたが、昭和50年代に150社あった企業数は、15社まで減ってしまいました。当社では2000年に他社に先駆け、ホームページを開設し、販路開拓のツールとして活用しました。現在は、細幅織物の自社商品ブランドを製造販売するなど、事業を拡大しています」。同社では2007年に『付属品(テープ)メーカーから完成品をメーカーへ提案する新分野への進出』、2013年に『伸縮可能で強度を併せ持つループ付き多機能性細幅織物「ルーティー」の開発販売』と、経営革新を2回取得し、商品開発強化や事業拡大に努めてきた。「現在50人(男性15人・女性35人)の社員が働いています。〝進歩は自己改革から〟〝実行は凛々しさから〟、そして〝発見は気配りから〟という社訓を定めているように、コミュニケーションを大切にしています。今回の受章は、社員一人一人がコツコツと努力を重ねてきたおかげ。今後も社員と力を合わせて業界の発展に貢献したいと考えています」と話す。
●問い合せ、0548・32・2567