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経営事項審査の審査項目が改正されると聞きましたが、具体的に何がどのように変更されるのでしょうか。

2015/01/20 [01月20日号掲載]

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公共工事の品質確保の促進に関する法律(品確法)の一部改正法が平成26年6月4日に公布・施行されたことに伴い、同法第13条において以下の事項を「適切に審査し、または評価するよう努めなければならない」旨規定されました。

⑴若年の技術者・技能労働者等の 育成及び確保の状況

⑵建設機械の保有の状況

⑶災害時における工事の実施体制 の確保の状況

 これを踏まえ、平成27年4月1日より経営事項審査の審査項目及び基準が改正されることとなりました。個々の事項における主な改正内容について以下に説明します。

 

⑴若年の技術者・技能労働者等の 育成及び確保の状況について

 若年の技術職員の育成・確保に継続的に取り組んできた建設業者と、審査対象年度において若年の技術職員を育成・確保した建設業を評価対象とし、経営事項審査の「その他(社会性等)の審査項目」のW点においてそれぞれ一律1点の加点、最大2点の加点がされることとなりました。ここでいう若年の技術職員とは、主任技術者や監理技術者の資格要件を充たしている職員や登録基幹技能者の登録を受けた職員で、審査基準日において「満35歳未満」の者となります。それぞれの評価基準は以下のとおりです。

①若年の技術者及び技能労働者の育成及び確保に対する継続的な取組の評価

  審査基準日時点で、技術職員名簿に記載された若年技術職員の人数が技術職員名簿全体の15%以上の場合、W点において一律1点の加点

②若年の技術者及び技能労働者の新規育成及び確保に対する取組の評価

  審査基準日から遡って1年以内に新たに技術職員名簿に記載された若年技術職員の人数が技術職員名簿全体の1%以上の場合、W点において一律1点の加点

 

⑵建設機械の保有の状況について

 現行の経営事項審査の「その他(社会性等)の審査項目」のうちの「建設機械の保有状況」において評価対象となっている建設機械の3機種(ショベル系掘削機、トラクターショベル、ブルドーザー)に加え、災害時の復旧対応に使用され、定期検査により保有・稼動が確認できるものとして、新たにモーターグレーダー、大型ダンプ車、移動式クレーンの3機種が追加されました。いずれの機種も1台につきW点において1点、合計で最大15点(現状維持)まで加点されることとなりました。それぞれの評価基準は以下のとおりです。

①モーターグレーダー

  災害時の役割として除雪、整地、路面整備が想定され、自重が5t以上で、定期検査としては特定自主検査を受けていること

②               大型ダンプ車

  災害時の役割として土砂の運搬が想定され、車両総重量8t以上または最大積載量5t以上で、事業の種類として建設業を届け出てあり、表示番号の指定を受けているもので、定期検査としては自動車検査を受けていること

③               移動式クレーン

  災害時の役割として土嚢・ブロックの積上げ、障害物の撤去が想定され、つり上げ荷重3t以上で、定期検査としては製造時検査、性能検査を受けていること

 

⑶災害時における工事の実施体制の確保の状況について

 この項目については、現行の経営事項審査において国、特殊法人等または地方公共団体との防災協定締結の有無を評価しているため、現在の評価を継続することとなりました。

 主な改正点は以上ですが、その他にも小さな改正点に加えて様式の変更もありますので、詳細については国土交通省あるいは県のホームページ等でご確認いただくか、お近くの行政書士にお尋ねください。

 

静岡県行政書士会

静岡支部 赤木大輔